大きければいいってものじゃない

バストの悩みといえば、たいていの場合その貧乳ぶりを嘆く内容が圧倒的に多い。でも待ってほしい。小さくて悩む人がいるということは、逆に大きくて悩む人も存在するのである。かくいう自分もその一人で、必要以上に大きく育ってしまった胸部に日々、苦々しい思いを抱いているのだ。

モテアンジュ

まず第一に重い。このバストの重量を体重から引けばそこそこ減量できるだろう。第二に走りにくい。ムダに揺れてけっこう痛いのだ。第三に着たい服が着られない。サイズは合っているのにバスト部分で引っかかるし、運よくファスナーが上まであがっても、鏡に映ったそのシルエットの無様なことといったらない。結局胸に合わせてサイズを選ぶ始末である。Tシャツを着た日にはさらに悲惨で、胸部の出っ張り部分により実物よりグッと太って見えるのだ。

そして、忘れもしない毎年の乳がん検診のたび、同じ医師から不愉快極まるセクハラ発言をされた。この件に関してはさっさと他の優良病院に移って事なきを得たのだが。今思い出しても軽く殺意がわく。ああ腹立たしい。巨乳であるがゆえの辛い悩みを他人に打ち明けたとしても、返ってくるのは決まって「ぜいたくなこと言ってるんじゃないわよ」とか「何それ嫌味?」といった全く理解のない言葉の数々だ。

こんなわけだから、自分なりに孤独な努力をした。両手でバストを持ってポンポン上下に揺らすとか縄跳びをするなどのエクササイズ。有名下着ブランドのミニマイザーといわれる、バストをコンパクトに見せるブラの購入。いわゆるナベシャツというバストを平らにつぶしてくれるインナーも試した。その結果、私に一番快適さをもたらしてくれたのはナベシャツであった。ただし、必要以上に豊かなバストは天下のナベシャツをもってしても潰しきれずに鳩胸のようなラインになってしまったのだけど。それでも胸周りでにっちもさっちもいかなくなったファスナーが上がった時の喜びは大変なものであった。

しかしこの先高齢になったら自分のバストはビール瓶を二本下げたように垂れ下がるのではなかろうか。今、正直な話バスト縮小手術を受けようか本気で迷っている。